2010年11月24日(水)16:30〜絵画道場vol.32「海野由佳の作品をめぐって」が展示会場にて開催されました。

今回の絵画道場は、二人の学生が司会者として、前半『短大洋画1回生によるインタビュー』そして後半『ディスカッション』を取り仕切る形で行われました。

前半は、司会者がインタビュアーと書記に分かれ作家からテーマや制作の背景など、キーワードとなる言葉を引き出していきます。




海野さんは、作品で鑑賞者に「緑で囲まれる」感覚を想起させたいと言います。
モチーフとなっているのは「ふるさとの風景」で、作家が撮影した写真を元に描かれています。
描き方として、「絵の具が混ざり合う瞬間のような筆触」を用いるのは、風景の中で風に「揺れ」たり、強い「生命感」を持った植物を表すという目的と、もう一つ、混色する直前パレットの上の「絵の具に美しさ」を感じたことから、絵画はあくまで「絵の具の固まり」であることを意識してほしいと、そのまま画面に留めることを試みたそうです。

インタビューによって、今回の展示作品のキーワードが出揃ったところで、ディスカッション開始です。



展示作品について、前半に出たキーワードをふまえて質問や感想があがり、それが議題となって作家や参加者に投げかけられました。
・作家の思う「絵の具の美しさ」とは、画材の違いはどう作用するのか
・「ふるさとの風景再現」について
・表れてほしいのは、「絵の具の固まり」か「緑に囲まれる感覚」か
・印象派的な描き方だが、印象派の仕事をどう見ているのか、作品の向かう先はどうなるのか。
・今の題材にとても適した描き方なので、またこれが別のモチーフになった時、違った技法が出てくるのではないかと期待している



時に司会者が作家の盾となりながら、作家の言葉について意味の確認が行われ、作家の作品の魅力、展望が話し合われました。




10/11/30