油画クロスポイント

卒業生紹介

vol.11/大友 一世さん

2004年度卒業(1期生)
『新鮮な眼差し』と、『つながり』を意識しながら制作しています。

卒業後から今

大友

大学院卒業後はアルバイトを掛け持ちしながら作品制作・発表活動をしていました。
この生活から半年経ったころに「せっかく芸術系の大学を卒業したんだから、もっと学んできたことを活かす仕事がしたい」という思いが強くなり、その後すぐにタワーレコード株式会社に入社し東京へ生活拠点を移しました。
現在私は販売促進部の中にある『アートデパ−トメント』に所属しています。
タワーレコードの店舗で販売するCD・DVD 等のジャケットまたはアーティスト写真をもとに、イメージに合った立体ディスプレイをデザインし制作する仕事をしています。
ディスプレイの中には大型で電飾をたくさん使用するものもあります。自分の好きなバンドのディスプレイを制作する時はテンションが上りがますが、逆に手が進みにくくなりへこむ事もしばしあります。
「ディスプレイは作品ではないから、時間をかけてはいけない」
「ディスプレイを作品にしてはいけない」

大友 作品
ユウ
アクリル、ジェッソ・パネル
140×120 2011年
入社して間もない頃はこの意味を消化できず悩みました。技術面においても失敗ばかりで大怪我もしました。大学・大学院を通して6年間学んできた事が全く発揮できず、相当落ち込みました。しかしそれは今だから言えることで、その時は毎日必死で仕事をし、生活し、作品制作も行っていたので1年目はあっという間に時間が経ってしまい、余裕を持って自分の事を考える暇がありませんでした。
今、東京に来てこの仕事を始めて4年目になります。
まだまだではありますが、何事に対しても切り返しをしていく習慣が身に付きました。
時間がある限りどこかで区切りをつけること。仕事と作品制作の意識が一色単になってはいけません。
職場の人たちは色んなジャンルの情報に敏感で個々人のフィールドを持っており、大変刺激になります。展覧会やアートイベントにもよく一緒に行きます。


大友 作品
scene2010-bondage-
アクリル、ジェッソ・パネル
160×210 2010 年
違う土地で同じものを見て感動し笑ったりすることを通して、学校を離れてから改めて『アートの力』を確認することができました。6年間の美術に携わってきた経験が今の生活に活き続けていることを感じますし、社会に出てからも変わらずアートに魅了されています。

私は仕事では立体造形を制作していますが、自身の作品は平面を描いています。
そのような環境の中で、作品制作にあたっては『つながり』を意識するようにしています。
街では毎日大勢の人が行き交い、その中でたくさんの出会いがあります。そこから作品のヒントを得る事もあります。そして常に新鮮な眼差しでいることを日々心がけています。


在学生の方へ

2011 年1月『SAGA DASH AWARD 』に選ばれ個展をし、在学生と交流する機会をいただきました。
卒業してからも現役の学生さん達と話す事はとても刺激になります。在学中は是非、色んな場所を訪れ、たくさんの人と出会って欲しいです。自分の作品を通じて人と交流することはそう滅多にありません。今取り組んでいる事に自信を持ってぶつかってみて下さい。なかなかそれが難しい時は友人や先生方と話すことでも自分にとってプラスになります。
私がタワーレコードの会社の面接時にF6号の平面作品とポートフォーリオを持参し上司に見てもらいました。見返すだけで恥ずかしい出来ばえのファイルを今でも上司は持っててくれいています。現在皆さんが取り組んできていることは、今はそれほど実感を持てないとしてもいつか必ず大きな武器になります。


大友 作品
entrance#1
アクリル、ジェッソ・パネル
116×116 2010 年
大友 作品
ランナーズハイ
油彩・パネル
130×140 2007 年

受験生の方へ

大友 作品
/ ori / #1
油彩・パネル 180×240 2005 年

この大学ではじっくりとアートを学べることの他に、人とのふれあいがとても魅力的な学校です。周辺環境や立地条件もとてもよく、四季の移ろいを目の当たりにして体感することができます。今でも嵐山に訪れると学生時代の事を鮮明に思い出します。
油画分野では先生方と接する機会も多く、親身に話を聞いていただいたり行き届いた指導をしていただけます。そして卒業後も先生方とも繋がっていけることも大きな魅力です。『SAGA DASH!』や『SAGA DASH AWARD 』のように、卒業生と在学生の展覧会を同時に企画してくれることもこの分野ならではの特色です。
これから悩む事も多いかもしれませんが今されている学業を糧にし、これから訪れる色々な楽しさや驚きに満ちた大学生活を想像しながら大いに挑んでください!!


この記事は2011年10月時点のものです。


11/10/21

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