大学卒業後、金沢美術工芸大学大学院へ進学し、「共感覚とその絵画領域における表現の可能性」をテーマに制作しています。在学中は様々な画材、媒体に興味を持ち、制作していました。そしてまた「絵画」に戻ってくる強みを得て、現在は油絵による平面作品を中心に制作しています。
わたし自身が音を聴くと色が見えてしまうことから、共感覚者であると認識し、その世界をどう絵画で表現するか、また観る側に「視覚」で観賞するのではなく、「聴覚」あるいはその他の五感で観賞することを呼びかけ、その楽しさを体感してほしいと願っています。まずは自分の見える世界を提示すること。しかしそれは証明ではなく、絵画であり続けることを念頭に制作をしています。
とにかくフットワークを軽くしてください。たくさんの物を、出来事を見てください。たくさんのものを目の奥の眼で感じてください。そして、自分が一番に感動できる作品を生み出してください。自分が良いと思う作品を「創る」のではなく「創り続ける」のです。そして自分に確信を得るために、自身を含めた様々なものに疑問を持ち続け、そこから浮き出てきた信念を持ち続けるのです。
嵯峨芸の、油画、という場所は柔らかい場所でした。取り様によっては「緩い」と感じる人もいるかも知れませんが、それは自分に負けている証拠です。こんなにも大きく息を吸って羽ばたく準備ができるところは無いでしょう。貪欲に、こだわりを持って制作してください。そこにいるみなさんが原石と成り得るのです。
たくさんある芸術系大学からなぜ嵯峨芸を選ぼうとしていますか。きっとスキルや通学圏内など様々な条件も伴ってくると思いますが、各大学のカラーはとても強く、また様々でもあります。嵯峨芸のカラーを見てください。嵯峨芸があなたに恵んでくれるもの、あなたが嵯峨芸で実現したいこと、それが重要になってきます。また、どんな大学に入学しようとも、それは最終目的ではありません。大学は最後のステップです。その先にある目的に大きく飛躍するために、最高の踏み台にしてください。
旧・京都嵯峨芸術大学 油画分野(オフィシャルサイト)