大学を出てからはデザイン関係の仕事をしながら、絵を描いています。
毎年秋ごろには、規模は小さいですがグループ展をしています。あまり広くないギャラリーなので、作品の大きさは15号程度のものを出品しています。もう少し大きな作品も創りたい気持ちもありますが、仕事をしながらの制作には丁度良いサイズという気もしています。
例え自分の趣味に合わないものだと思ったとしても、いろいろな傾向のたくさんの作品を見てほしいと思います。自分が『この作品は嫌い。』と思って避けてしまったり無関心に遠ざけてしまうと、その作品からは何も得ることが出来ません。心地良いものだけに偏らずに、スポンジのようにたくさんのことを吸収して、たくさんのイメージの引き出しを作って欲しいと思います。
また、小さいノートで良いので常にメモを取れるようにしておくと大変便利です。『さあ、描こう!』と、思ったときから考えるより、普段からメモを取っていれば、制作に早く入れます。今までに「作品の完成図は、大体は考えたが次のステップに移れない。」ということはありませんでしたか?私は3回生までその繰り返しでした。
その原因はとても簡単です。「最初に完成図を細部まで考えきれていないまま、制作に入ったから。」
デッサンするということは、「物を見る力」をつけるということです。
『デッサンや着彩の練習は、受験が終われば用済み』ではありません。自分の作品づくりに大いに役立ちます。
また、遊びに真剣になって下さい。「楽しい」と思えることからは、新たな発見、探究心などが生まれます。新たな発見があれば、誰かに教えたくなるのがヒトです。もし何か発見出来たなら、ほんの小さなことでも、気兼ねなくあなたが発見したことを嵯峨芸大の先生方に話して下さい。とても気さくな先生方です、きっとあなたの発見を、発見の喜びを、共に分かちあってくれます。そしてその先にあるわくわくするような期待感をもっと大きく膨らませてくれるでしょう。
堤 理栄子
略歴
旧・京都嵯峨芸術大学 油画分野(オフィシャルサイト)