学を出てからは、デザイナーの仕事をしながら発表活動を続けています。
個展は一年に二回程度行っており、個展以外にも、2005年に結成した、 masakishimon(なかもと真生+小原志門)というユニットでの活動や、 昨年の十二月には、作家・古川日出男さん、音楽家・虹釜太郎さん、鈴木康文さんの三人によるユニットと、鏡の破片と水を使用した照明で、競演しました。
僕の展示の多くはもともとそこにある環境と、創作を混ぜるような方法をとるので、展示する場所が作品のイメージに大きく関係します。その為、ある程度環境を選択する必要があり、自分の能力を最大限に発揮できるような展示の機会は多くありません。 なので、今はそのような展示の機会を一つずつ大切にしつつ、 並行してイメージの出力方法を柔軟にするために手法を模索しています。
今後の活動としては、2010年に大原美術館での展示が決まっているので、 それに向けて作品のイメージを削ぎ落としています。
僕は「芸術をやりたい」というのではなく、 「自分の個性を純粋に認めさせたい。」 という欲求から進路を決めたので「いかに自分の個性を濁らせずに保つことができるか。」 ということを常に考えています。 視野を広げることは重要ですが、作品は自閉的で盲目な方が、 強い熱量を持つ場合もあります。京都嵯峨芸術大学は、市街の中心地から離れていますし、様々な影響を遮断でき、制作に集中できる環境にあります。 (もちろん市街の中心部や大阪に少し足を伸ばせば、 ギャラリーや美術館がたくさんあり、 常に多くの作品を見ることもできます。)
僕は油画に入ったものの、作品は毎回油絵以外の技法でしたし、実習室外、学外での作業が多かったので、授業にもあまり出ることができませんでした。それでも油画には、作品さえしっかり制作していれば認めて下さる教授がいます。 「(技法について)何がやりたいかわからないけれど、 とにかく作品を制作して発表したいという人」 「自分で行動出来る人」には好適な分野だと思います。
なかもと真生
略歴
旧・京都嵯峨芸術大学 油画分野(オフィシャルサイト)