2012年11月20日(火)
川崎あゆみ展 「Hello my cakes」
ディスカッションテーマは、
「なぜ「写真」を「描く」のか」
会場には、川崎さん曰く、「写真」を「描いた」作品が並んでいます。
作者のこだわりは、「写真」を実物の参考資料として制作するということではなく、自分で撮影した画像をプリントアウトした「写真」をそのまま「描く」ということです。
被写体は、川崎さん自身の日常生活の中で出会ったもので、撮影した時点で撮る理由は完結しているのかもしれない、と川崎さんは言います。描くことを前提に撮影することはなく、データ化された画像を眺め、その中から描くものを選び、プリントアウトしたものをそのまま(写り込んでいるものは全て)描く、という手順で制作されます。
ディスカッション参加者からは、
記憶の手助けとしての写真のあり方から変わって来たのかもしれない。
写真に写る現実の構造にとらわれないところが面白い。
幼い頃から、直接ものを見るより映像や画像に慣れ親しんだ今の世代の人の感覚を反映した独特の距離感があり、それが無意識に行われている。
ピント、コントラストが画面作りの大きな注目点になってきたのかもしれない。
人のものの認識の仕方が変化していくのは避けようのないことなのかもしれないからこそ、視覚的なものに左右されないものを作りたい。
などの意見・感想が述べられました。
川崎さんは、油絵で描かれた写真みたいな絵だと評されることが一番うれしいと言います。
実際のものがあることを前提で描いていた時代から、ピクセルでものを見る世代なのかもしれない。。。というひとつの見方が提案されたディスカッションとなりました。
〈会場風景〉