2012年12月6日(木)
「内藤萌乃の作品をめぐって」がおこなわれました。
今回の展示では、「額縁」というものについて考えてみたかったという作者のテーマに沿って、日用品に絵画をはめ込み、博物標本的に見せることで、絵を囲むものを「額」として表した作品が会場に並びました。
内藤さんは、平面絵画というものについて疑問を抱くことがあり、絵の自立というテーマで過去作品を制作してきたと言います。
今回は、絵画にとって、それぞれにとって「額」とはどういったものか、話し合いが始まりました。
内藤さんの「額」とは、
1、絵を保護する=強度がある素材であること
2、画面を一周囲えること
3、大量生産品であること
額縁の始まり、起こりから、絵画が独立性を帯びるに従って発展していった経緯などもっと研究すべきという指摘もありながら、額縁とはどういった役割が考えられるか参加者へ投げかけられました。
絵画の装飾、保護、空間との隔離、などが挙がると、額をつけないという意見が多く見られ、必ずしもつけるものではないその理由について話が移りました。
額の装飾性が邪魔になったという意見や、裏張りすることで作品の側面の見せ方が変化したこと、抽象作品の意図を時に阻む可能性があるなどです。
絵画の様式、制度をいじりたいという内藤さん。
普段、使用している日用品を使ったことで、鑑賞者が全体で絵画作品として見るよりオブジェよりに見えてしまったのではないかという指摘がありました。
額は、作品を装飾するものとしてあるなら、役割として絵画に目がいかなくてはいけないのではないかということです。
ディスカッション中は、実際に作品の目の前に歩み寄り、参加者全員で作品を間近に質疑応答されていました。
《展示作品》
今年度の絵画道場は、内藤さんの展示が最後になります。
また、来年度からもどうぞよろしくお願いいたします!