2013年5月15日(水)
絵画道場vol.48 「たなかあんな。 の作品をめぐって」が行われました。
ディスカッションのテーマは、「透明な存在を描く」です。
会場にはたなかさんの作品が並んでいます。
一見するとわからないのですが、近づくと画面に馴染むようにうっすらと海月が描かれています。作者のたなかさんは、「透明」に対してとても憧れを持っていると言います。
そしてその透明に対する憧れは、水と海月というモチーフに置き換えられて制作を行なっているようです。
まずその「水」というモチーフの捉え方の話から始まりました。たなかさんはその「距離感の無さ」が心地がよいといいます。その心地よさからたなかさんなりの「透明」感の話は進み、「透明」という実際に見えないものをどうやって描くのかという、絵画と透明にまつわることがいろいろな視点から議論されることになりました。
技術や技法として、画面の中に「透明な存在」を実際に描くのか。
そしてそれが行えたとして、それは果たして「透明」を描くことができているのか。
「透明」な存在を「描く」のか、絵画によってそれを「感じる」ことだろうか。
そして「感じる」ものだとした時に、絵画をモノとして充実させることはどういうことなのだろうか。
「透明」という見えないものと「絵画」の間で起こる様々な問題や関係について意見が交わされました。いろいろな角度から話が進むにつれ、たなかさん自身の感じる「透明な存在」が徐々に露わになっていく様でした。
最後に作者のたなかさんと作品のツーショットです。たくさんの方にご来場頂きありがとうございました。次の絵画道場は6月4日(火)、現在開催中のシリーズ「絵画への意志」vol.49
冨田もゆ展「日々のドローイング」にて行います!ぜひお越しください。
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シリーズ「絵画への意志」vol.49
「冨田もゆ 展 / 日々のドローイング」
会期:2013年5月23日(木)〜6月11日(火) 日・祝日休館
時間:9:00〜18:00 土曜日16:00まで
会場:京都嵯峨芸術大学
アートプレイスU2(有響館 2F