2013年6月4日 (火)
絵画道場ディスカッション「冨田もゆの作品をめぐって」が行われました。
展示会場には、彼女が日常的に制作しているドローイング作品が並べられています。
紙にセピア調の色味で描かれた、風景のドローイングです。
絵コンテを連想させる展示方法は、どこかにストーリーが隠されているかのようで、来場者を楽しませました。
彼女は自分にとって身近な日常風景を写真に撮り貯め、それを観ながらドローイングを制作しています。
普段の見慣れている風景も、絵にすることによって物語のように出来るのではないかと彼女は考えています。
ディスカッションでは、冨田さんのドローイング作品の中で独特に用いられる「フレーム」について話題が及びました。
今回展示された作品の多くは、紙自体の四角いフレームの中に、更にフリーハンドで四角いフレームを作ることで作品が構築されています。
作品の枠のような黒いフレームを描き、そのフレームの外にもドローイングをはみ出させることで、彼女の作品には枠の外への広がりが創られています。
また、ドローイングとはどういうものであるかについても意見が交わされました。
「自分の考えを端的に整理するためのもの」「無意識のメモのようなもの」など、参加者それぞれのドローイングについて話す機会でもありました。
(文 : 短期大学部美術研究室 教務助手/海野 由佳)