SUMMER SCHOOL 報告会 - ドイツ・ハンブルクにて -
11月21日(木)
短期大学部 研究生の上野千紗さんによる『 SUMMER SCHOOL 報告会 』が開催されました。
上野さんは2013年7月17日 〜 8月13日までの約3週間、ドイツのハンブルクにて 『 PENTIMENT'13 ( ペンティメント13 ) 』 という名前のサマースクールへ通っていました。今回は、その時の授業の様子や現地での体験談などの報告会です。
会場には上野さんが現地で制作した作品の一部も展示され、来場者が自由に手に取って鑑賞することができました。
会場前方のプロジェクターに現地で撮影した写真を投影しながら、ハンブルクの町並みや授業の様子、クラスメイトの作品なども紹介してくれました。
PENTIMENT'13 は、世界中から教員・生徒が集まり、3週間という期間で集中的に学ぶサマースクールです。絵画や彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど様々な分野の中からコースが選択できます。
上野さんはドローイングを学ぶコースへ参加しました。そこではイスラエル人とドイツ人の2人の先生からドローイングについて学び、「 様々な素材を使用した一冊の作品集 」を制作する事が最終課題です。上野さんはwebで掲載されていた先生の作品に共感を感じ、ドローイングコースへの参加を決めたのだそうです。
ハンブルクは、日本の大阪と同じ位に栄えている街です。面積は約755㎢あり、街を流れる大きな運河のおかげで中心地まで貿易船を入れる事が可能で、商業が発達しました。よって、街自体が裕福なため、アートにも力を入れています。日照時間も日本とは異なり、ドイツ滞在中の日没は22時頃からだったそうです。
サマースクールでの授業は9時から始まり、お昼休みにはアーティストのドキュメンタリームービーを観ることもできます。午後の授業は13時〜17時までで、希望者は放課後も自主実習やムービー鑑賞をします。上野さんはホームステイ先の門限もあり、18時に学校を出て、19時半までにギャラリーやアート系列の書店に立寄りながら下校していたそうです。ホームステイ先へ戻ると、日没の22時頃まではホストファミリーと団欒して過ごし、24時頃に寝て、翌朝8時には家を出るというスケジュールで過ごしていました。
サマースクールで出会ったクラスメイトは、高校の夏休みを利用してきた高校生や美術専門学生、社会人など、年齢層も様々です。授業は英語で行われ、言葉が分からずに苦労する場面もあったようですが、隣の席のクラスメイトが先生の指示をこっそり教えてくれたり、好きな作家を教え合ったりと、和気あいあいとしていて雰囲気も良かったそうです。
休日にはハンブルクの大きな美術館へ出掛けたり、ギャラリー巡りをしたりと、現地でのアートシーンに触れる機会も多く、現地での様々な体験を来場者に報告しました。
サマースクールへの参加を検討している方や、海外に興味のある来場者からは、海外での生活や学校の様子についてなど、様々な質問がありました。今回の報告会は、現地での実体験を聞き、質問出来る良い機会だったように思います。
上野さんは今後の活動について、サマースクールへの参加をきっかけに海外へも視野が広がり、現在は海外に滞在しながらの作品制作をするアーティスト イン レジデンスを考えているのだそうです。
(文 : 短期大学部美術研究室 教務助手/海野 由佳)