絵画道場ディスカッションvol.59「徳岡真帆の作品をめぐって」
2014年10月15日(水)
徳岡真帆の作品を巡るディスカッションが展示会場のアートプレイスU2にて開催されました。
会場には独特な毒気を持つ徳岡さんの作品が並びます。
写真左手の矩形のキャンバスには人型に切り取られたベニヤが貼り付けられ、そこには某首相や某有名人などが描かれています。右手には団扇やテレビの形にシェイプされた小作品が点々と展示されています。また、作品には徳岡さんお手製の手書きのキャプションがつけられていたり、いなかったり。
作者の徳岡さんが作りたいものは、作品の深さではなく、ビジュアルのインパクトだと言います。つまり、描かれている対象はそのモチーフが持つ意味ではなく作者の「ビジュアルのインパクト」という意図により文脈から切断され、画面に配置されています。
このように徳岡さんの作品は深い考えや感覚に対してのアプローチではなく、インターネット上に転がっているコラージュ画像のような「軽さ」に対して作品を通じてアプローチしているようです。
ディスカッションはそのような徳岡さんが作品に対して求める「軽さ」について議論が行われました。
参加者の中にはそのような「軽さ」はよいことなのだろうか?
「軽さ」「浅はかさ」とは違う、などの意見も交わされました。
また、以前のディスカッション(絵画道場vol.52 松谷めぐみ/vol.58 モリモトマサシ)の時にも「軽さ」や「コラージュ画像」について話が行われたように、作家がリアリティをもって取り組むモチーフがインターネット上のものに移行しているように感じました。
現在は短期大学部洋画2回生の
甫立夏希さんの展覧会「錐台」が開催中です。
絵画道場ディスカッションは12月19日(水)の16:30からです。皆様のご来場をお待ちしています。
(文:造形学科油画分野 教務助手 寺岡海)