油画クロスポイント

vol.8/なかもと真生さん

2005年度卒業(2期生)
デザイナーの仕事をしながら作家活動を続けています

大卒業後の活動・生活

なかもと真生さん

学を出てからは、デザイナーの仕事をしながら発表活動を続けています。
個展は一年に二回程度行っており、個展以外にも、2005年に結成した、 masakishimon(なかもと真生+小原志門)というユニットでの活動や、 昨年の十二月には、作家・古川日出男さん、音楽家・虹釜太郎さん、鈴木康文さんの三人によるユニットと、鏡の破片と水を使用した照明で、競演しました。
僕の展示の多くはもともとそこにある環境と、創作を混ぜるような方法をとるので、展示する場所が作品のイメージに大きく関係します。その為、ある程度環境を選択する必要があり、自分の能力を最大限に発揮できるような展示の機会は多くありません。 なので、今はそのような展示の機会を一つずつ大切にしつつ、 並行してイメージの出力方法を柔軟にするために手法を模索しています。

今後の活動としては、2010年に大原美術館での展示が決まっているので、 それに向けて作品のイメージを削ぎ落としています。


在学生の方へ

なかもと真生 作品
僕は大学時代から実習室にこもって作業するタイプではなく、 学外で作業したり、学内でも学科関係なく作業していました。
造形基礎の時だけでなく、二回生になってからも、鉄彫をしたいときは油画に在籍しながら油画の先生に話を通していただき、彫刻分野で作業していましたし、 メディアアート分野の小原志門くんとは、学生の頃から共同作業していたので、メディアの工房でもよく作業していました。 大学には個人だとなかなか使用できない設備もあるので、 思い立ったら積極的に行動しましょう。

卒業後の作業環境は、一軒屋を全て作業スペースにして制作し、 半年に一度そこを解放して家屋展示を行っています。四回生の時は実習室でなく、クラブボックスの一室を使用して制作していたので、作業環境はほとんど変わりません。大学の施設を使用できる時間には限りがあったので、今の方が充実して作業できていると思います。

モチベーションに関するアドバイスとしては、常に有名、無名、技法など関係なく、いい作品を制作しているアーティストがいれば、現状の自分と同じ立場で比較するべきだと思います。一回生であろうと、学生だからという考え方は持つべきではありません。 一アーティストとしての自覚をもたなければ、今の自分の実力以下のものしかできないと思います。



受験生の方へ

なかもと真生 作品

僕は「芸術をやりたい」というのではなく、 「自分の個性を純粋に認めさせたい。」 という欲求から進路を決めたので「いかに自分の個性を濁らせずに保つことができるか。」 ということを常に考えています。 視野を広げることは重要ですが、作品は自閉的で盲目な方が、 強い熱量を持つ場合もあります。京都嵯峨芸術大学は、市街の中心地から離れていますし、様々な影響を遮断でき、制作に集中できる環境にあります。 (もちろん市街の中心部や大阪に少し足を伸ばせば、 ギャラリーや美術館がたくさんあり、 常に多くの作品を見ることもできます。)

僕は油画に入ったものの、作品は毎回油絵以外の技法でしたし、実習室外、学外での作業が多かったので、授業にもあまり出ることができませんでした。それでも油画には、作品さえしっかり制作していれば認めて下さる教授がいます。 「(技法について)何がやりたいかわからないけれど、 とにかく作品を制作して発表したいという人」 「自分で行動出来る人」には好適な分野だと思います。

なかもと真生HP:http://homepage2.nifty.com/density/index.html

この記事は2009年4月時点のものです。


なかもと真生
略歴

個展
2010年3月
  • 個展 “AM倉敷(Artist Meest Kurashiki)Vol.6 「なかもと真生」(予定)” 大原美術館(岡山)

2009年3月
  • 家屋展示 “structure of nothingness” 西院久田町貸家(京都)

2008年7月
  • masakishimon映像展示 “bright side of night light”ギャラリー山口(東京)

2008年3月
  • 家屋展示 “Black Box” 西院久田町貸家(京都)

2007年11月
  • masakishimon展示 “regenerate”元立誠小学校地下給食室跡にて(京都)

2007年10月
  • masakishimon個展 “room101” neutron(京都)

2007年7月
  • 家屋展示 “industrial complex” 西院久田町貸家(京都)

2007年1月
  • 家屋展示 “zero hour” 西院久田町貸家(京都)

2006年6月
  • 個展 “inside” NC Art Gallery(東京)

2006年2月
  • 屋上展示 “installation” 京都嵯峨芸術大学屋上(京都)


イベント、グループ展
2008年12月
  • KYOTO音響の変(キュレーション、演出、デザイン、照明担当) 元立誠小学校図書室(京都)

2007年4月
  • 映像イベント “VISUAL NIGHT IN ASPHODEL”参加 ASPHODEL -The Sanctuary(京都)

  • その他、個展、イベント、グループ展等多数




09/04/02

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