油画分野教授 宇野和幸先生の個展です。
会期:2013年2月18日(月)〜3月2日(土)日曜休廊、2月25日(月)〜3月2日(土)
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
会場:巷房(階段下&2)
〒104-0061 東京都中央区銀座 1-9-8 奥野ビルB1F
TEL/FAX:03-3536-8727
http://www5.ocn.ne.jp/~kobo/701.html
*2会場での開催です。会場ごとに会期が異なります。
*巷房(階段下)は、2/18〜3/2 (2週間、日曜休廊)となります。
*巷房2は、2/25〜3/2 (1週間)となります。
*最終日は2会場とも3/2(土)、最終日は17:00迄となります。
<Axial Inclination 軸の傾向 − 23,4°の風景 −>
地軸を感じる風景、その断片と出会う。
近年はLandscape of fragmentというシリーズを制作している。
ここでの主な取り組みは、時空間に対してランダムにCTスキャンのように断層撮影を施すことを想定し、それによって得られるであろう画像の集積を現実の物質空間として捉えるという、一つの空間認識の試みである。
時空間をそのような半透膜のレイヤー(層の重なり)状のものとして捉えたとき、目の前に作品の姿をして現れるものは、絵画であろうとする物質の存在に歪められた重力によって部分的に可視化された、時空の表層の断片であるといえる。それらを画廊空間という限られた場において収集し、再配置することで、通常我々が認識している現実空間と交差させつつ同時に存在する場を生み出したい。
目にしている作品がそれの全体像ではなく、さらに広がる画面の一部であり、別の重力法則で存在しているのだと気付いたとき、その絵画の全容は観るもののイメージによって無限の可能性をもって広がっていく。展示の土台でしかなかった強固な不動の部屋の壁が、緩やかな浸透性を持った表皮のように、可変の境界として感じられてくるのではないだろうか。壁の表面が波打ち際の揺らぎにも似た流動性・柔軟性を持って、今いる室内空間とそこにある存在自体が微妙に異質のものへと変化していく。
そのような時空を感じてみたいと思っている。
我々の星、地球は太陽を回る公転面に対して23.4度傾いている。
そして、今回展示された作品はすべて23.4度を内包している。
1日24時間・365日を巡る中で、太陽の中心からの視点としては、どこかでそれぞれの作品のような空間レイヤーを眺めることになるのだろう。そして私達は断片としてそこにいる。
その地軸の傾きもわずかに変化してきているという説もある。宇宙の節理も絶対不変のものではないという事、あるいは不変のものは存在しないということこそがこの世界の宿命的な真理なのかもしれない。
我々の中にある根源的な愛すべき不安定さ、それこそがあらゆる物事の魅力の発端としてそこにある。
13/02/01