京都嵯峨芸術大学山本ゼミでは2012年度活動に1つとして、voice galleryにおける「bp2012 (blue project)」に参加しています。
voice gallery bp2012(blue project) 山本ゼミ expedition4 「中道由貴子」
会期:2012年711日(火)〜7月28日(土) (日、月曜休廊)
12:00〜19:00 (最終日は17:00まで)
会場:
MATSUO MEGUMI + VOICE GALLERY w
京都市南区東九条西岩本町10 オーシャンプリントビル/OAC1階
「行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」
鴨長明の『方丈記』に記された有名な冒頭の一文は、この時代から日本に育まれてきた「無常観」を表していると言います。
河は変わらず河であるのに、水は常に流れ続け、一秒前に見ていた水はそこにはもうない。
同様に、細胞は一定期間でほぼ入れ替わると言いますから、物質的には私は一週間前の私とは違うのかもしれない。
途方もない時間をかけて構築された普遍的な構造は、外的要因や、内的要因に簡単に影響を受けてバランスを崩します。
人と直接触れる皮膚は半透明な薄い膜であり、一番目に触れるものなのに、その独特の色は内に在る血液であったり、内臓、骨の影響を強く受けています。
その全ては日々変化していて、きっと、私たちを取り巻く環境よりもずっと早い速度で動き続けている、一番身近に在るモノです。
簡単には思い通りにならない、静かな動きは、時に生命を危機に陥れるくらいに暴力的で、時に驚くほど強く美しいものです。
私は「無常観」だけではない出来事を忘れずにいたいと思うのです。
中道由貴子
12/07/11