これまた、さかのぼってのUPとなりますが・・・・。
隔年で開催している研究室教員による作品展「思考する視線」。
展覧会会場の様子です。
左:イチハラヒロコ先生の作品 右:入佐美南子先生の作品
イチハラ先生は「コトバ」による作品です。言葉なので当然、読みます。読むのですが、詩を読むようには読めない。というか読ませない。しかも、音(イントネーションや強弱)を伴わないので、同じ「コトバ」でも思い描く状況はいくつにも広がっていくのです。
前回のこの展覧会のDMはイチハラ先生の作品を使わせてもらいました。そのときの作品は「美大の 教授の 作品か」というものでしたが、コトバの後にそれぞれが心の中で勝手に「?」や「!?」、「!!」、「・・・・」をつけて読んでいたようです。一見当たり前のような、たいしたことはないようなことかもしれませんが、実に不思議な、妙に納得させられる体験でした。
でも、コトバの意味や読む行為ももちろん重要な要素ですが、書体や配置などにきっちりこだわるイチハラ先生を見ていて、絵画(平面作品)なのに「読まされてしまっている」のだなぁと、その作品の持つ力と絶妙な作品構造にあらためて感動しました。
中野庸二先生の作品
堀井聰先生の作品
山本直木先生の作品
山本先生の作品は、写真ではちょっとわかりにくいだろうと思います。写真に撮りくい作品(インスタレーション)です。
デジカメで撮影後加工という画像で、何とかその雰囲気は伝わるかなとは思いますが・・・。
暗くした小さな室内に弱めの白熱電球、ガラス板に砂糖を使って描かれた肖像画がかすかに見えています。壁に立てかけられている4枚の砂糖肖像画。タイトルは「四者会談」・・・・・なるほど。手を抜かない創り込みが、ガラスのシャープさ・硬さ・脆さを際立たせ、砂糖が甘さ・儚さ・形成(あるいは崩壊)過程としてコントラストを持たせる、作品にシャープな緊張感を与えています。
・・・・・学生達の作品って手抜きや横着なことが目立ちすぎるよなぁ。
こういう緊張感のある作品を創ってほしいものだけどなぁ・・・・・でも、みんながそうなるとちょっと鬱陶しいかな・・・?!
09/09/30