油画クロスポイント

卒業生の活動紹介
vol.3

長谷川 一郎 さん 2005年度卒業(1期生)


大学院修了後、油画研究室の助手として勤務しながら作家活動

卒業後の活動・生活

長谷川 一郎

大学院を出てからは、嵯峨芸大で助手の仕事をしながら制作を続けています。仕事は助手の他に、デザインの仕事や、精神科・心療内科でのレクレーションとしての絵画教室などの仕事もしています。

展覧会は個展を年に数回、その他にグループ展などをおこなっています。学生時代と比べると、制作に費やす直接的な時間は減ってしまいました。しかし、仕事での経験は視野を広げたり、知識を深めたりできるのではないかと考えています。逆に、全ての時間を制作だけに費やせたとしても、いい作品は作れないのではないでしょうか。
実際に、デザインの仕事の関係で「チャリティー・アートオークション」を企画・運営しましたし、大学の助手の仕事では常に自分も勉強させてもらっています。
「作品を制作する」というのは、日々の生活の結果として表れてくるものではないかと思い始めました。もちろんプロの作家として生きて行きたいという気持ちはあります。そこに向かって行く能動的な部分と、今自分の身の回りや社会で起こっていることを受け入れられる受動的な部分とが必要だと思います。
そういった意味で、「絵を描く」という行為に対して自然に向き合えている現在は、非常に充実しています。またそのような生活の中で、人との出会いや繋がりは本当に楽しいことであり、大切なことであると痛感しています。


在学生の方へ

長谷川一郎 作品

おそらく生きている限りずっとそうなのかもしれませんが、大切なことは「広げる」ことと「深める・高める」こと。大学時代は常にそれを心がけていました。
「興味が少しでもあれば首を突っ込む」、「やる前に考えすぎない」、というのがおすすめです。よく「後悔だけはしたくない」と言いますが、積極的な後悔ならいくらでもすべきです。また、結果がともなった時にはおおいに満足すべきです。
遠くの理想と、足下の現実を常に両方見据えて進んで行って欲しいと思います。遠くの理想がぼんやりしすぎてわからないときは、まずは足下。今の自分にできること、あるいはやらなければならないことを一生懸命にやる、これしかありません。
あとひとつ忘れてはならないのは「やりたいことをやる」ためには「嫌でもやらなければならないことが少しはある」ということです。
ぜひ、積極的な大学生活を送り、より多くの物を見、多くの事を聞き、また多くの人と出会ってください。


受験生の方へ

長谷川 一郎 作品

大学を選ぶポイントとして、皆さんの中にもいくつか項目があると思います。
ちなみに僕が受験生だった時に嵯峨芸大を志望した最大の理由に「川」があります。大学の前の桂川があまりに美しく、受験の帰りに友人に「今回は落ちた(ような気がする)けど、次はぜったいに合格するわ!!めっちゃ川きれいやん、こんなとこでバーベキューとかしたいなー。」と言っていたのをよく覚えています。そしてこのカギカッコ内はすべて本当になりました、落ちたところから。
今思えばいい加減な理由で志望したものだとつくづく思います。しかし、これが嵯峨芸大の魅力だということも否定はできません。
しかし入学してからの僕を待っていたのは、いい意味での予想外の展開でした。景色だけでなく大学が非常に魅力的で素晴らしかったのです。ここからは卒業生として嵯峨芸大のおすすめのポイントを三つ紹介します。1期生として入学し、大学院も出て、助手までしている僕が言うので間違いありません。

まず一つ目は、カリキュラムに加えて適度なキャンパスのサイズもあり他分野、多学科の学生・先生との交流が多く、仲良くなれるという点。これはものづくりをする人間にとっては最大の魅力だと思います。また、それにともなった「副専攻」「分野変更」などの柔軟なシステムもあります。受験の時点で明確な将来設計を持っている人なんて滅多にいないと思いますが、大学生活で幅広く経験できることで、自分の進むべき道を見つけられるのではないでしょうか。

そして二つ目は、落ち着いた校風。学園祭やその他の行事も充実している一方で、制作に打ち込める落ち着いた環境も整っています。これは機材などの物理的なものだけではなく「校風」としか言いようのない人間的なものです。

そして三つ目は、何と言っても個性豊かな先生方です。憧れの作家として、時には同じ道を進む先輩として、時には親のような存在として、支え導いてくださいます。

このように「刺激」「安定」「導き」というものづくりには欠かせない要素が嵯峨芸大にはあります。ぜひ嵯峨芸大で皆さんの才能を開花させてください。

長谷川 一郎 さんの略歴はこちら


この記事は2008年6月時点のものです。

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嵯峨美術大学
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