油画クロスポイント

卒業生の活動紹介
vol.6

金澤 麻由子 さん 2006年度卒業(2期生)


油画からメディアアートに分野変更。
大学院終了後は大学助手として勤めつつ作品制作
金澤 麻由子

「絵を本格的に学びたい」と必死だった受験生時代。紆余曲折を経て嵯峨芸の油画研究室に入学します。受験期の反動から「全く何もする気にならなかったんです」という金澤さんも、二年目にはだんだん油画の仲間と楽しく過ごすことができるように。

「ずっとやってきた絵から離れて自分の力を試したかった」と、3回生の春に突然メディアアート分野(現メディアデザイン学科)へ分野変更。初めての世界で着実に知識を身につけていく一方で、自分の制作における核がないのが悩みでした。

金澤 麻由子
悩み続ける日々は恩師と呼べる先生との出会いで一変。先生から紹介された「実存哲学」に金澤さんは心酔し、いつしかそれが制作の核となりました。そして直後の作品「たれたれ」は「第6回JCF学生映画祭」でグランプリを受賞しました。

4回生の秋、犬のパグをモチーフにした「ぼくぱぐ」を「神戸アートアニュアル2005」に出展。それは自分で描いた絵画を用いて制作したものでした。「また絵を描けるのがとびきりうれしかった」と、絵画の楽しさを再認識。以後、手描きにこだわるように。

金澤 麻由子
アニメーションに習熟するにつれ、その見せ方にもいっそうこだわるように。院生1年目、赤ちゃんをモチーフに制作した「vous vous vouez」は、「綿で作ったスクリーンに映すことで、卵の中から命が透けて見えてきている感じを表現したんです」。


今後も絵画と映像を使って表現していくという金澤さん。「“実存哲学”はずっとテーマにし続けます。そこへさらに自らの人生観をプラスして表現できる作家になれたら・・・。そのために表現し続けます。嵯峨芸、愛してます。大学生活に悔い無しですね」。



金澤 麻由子
アニメーションの作り方

1.映像のもととなる原画を描く。
2.完成した原画を撮影する。
3.撮影した原画データを「Adobe Premiere 」でパソコンに取り込み、「Adobe After Effects 」で編集。
4.キーボードと「Garage Band」で曲を作り、「After Effects 」で曲と動画を調整する。
5.スクリーンの仕様など会場での上映方法を考え、完成!



※実存哲学
人間は、自分という存在を自らの力で創り上げるのだという思想のこと。 マルティン・ハイデガー(1889ドイツ哲学と実存哲学に寄与した哲学者



<2009年度大学案内より>

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